千年一酒造に
ついて
北淡路の東浦は
手を伸ばせば、そこに大阪湾が広がり、
そこに住む人は新鮮な魚と新鮮な山の幸で
旨い地酒に舌つづみを打つ。
その地酒を造り続けて百四十余年、
大震災で大打撃を受けながらも、
蔵の一部を建て直し、
鍾馗山の山水と最良の米と
杜氏達の手の温もりを感じる麹とで
漁師の町に良く似合う
スッキリとした旨い酒を造りたいと
日々努力しております。
歴史・地域貢献
古事記に国生みの島として登場する淡路島は、新鮮な魚、山の幸に恵まれた豊かな島です。そんな淡路島には、元々50軒あまりの酒蔵がありましたが、清酒消費の低迷と共に数は減少して今では、当蔵を含めて2軒だけになりました。
途中、阪神淡路大震災で大きな被害を受けましたが、淡路酒探偵団など地元の有志の助けをおかりして、蔵を再建した歴史があります。
そんな私たちが目指しているのは、淡路島だからこそ、規模が小さいからこそできる酒造りです。
淡路酒探偵団が栽培した五百万石を使った「千夢酔」を始め、淡路島産の酒米のみを使った酒を造っています。地元の土と水で栽培した米、水を使った酒は、淡路島の味。
島に根付く小さな造り酒屋として今後も淡路島産にこだわった酒造りを続けていきます。
震災の苦難を乗り越えて、新しい世代へ
千年一酒造 女将 武田須也子
当時を知る女将は「阪神淡路大震災で当蔵は多大な被害を受けました。仕込み蔵では天井が崩れ、上を見れば青空が見えるほどでした。一月は仕込み真っ最中。タンクのほとんどが傾き、お酒のほとんどがダメになってしまいました。当時、この壊滅的な被害を受けた蔵を見て、そろそろ潮時かもと廃業することも考えました。
しかし、淡路酒探偵団の皆様から預かっていた大切なお米の仕込みだけでもと、蔵の中で当時の蔵人、杜氏さんが仕込みを再開しました。そうしてできたお酒が千夢酔。できた千夢酔を酒探偵団の方と飲み、まだまだできることはある。そう思い蔵を再建していくことを決め
ました。千夢酔があったから、今の千年一酒造があると思っています。
淡路島の地に根差してきた当蔵は2025年で、創立150年を控えています。杜氏を務める甥が2020年に代表取締役に就任し、娘も淡路島に帰ってきて、蔵の手伝いをしてくれています。これからは新しい世代と共に、今まで支えてくれた地元の方と淡路島の環境に還元する酒造りを目指していきます。
復興の酒 千夢酔
淡路酒探偵団 高田佐登美
私たち淡路酒探偵団は、酒文化を語り合い、淡路の自然や歴史、それに携わる人々と融合しながら日本の民族酒である日本酒を楽しむことを目的に活動しています。
そんな私たちは、「淡路島の米と水、淡路を愛する想い」を込めた、お酒を造りたいという思い
で、1994年地元の酒蔵である千年一酒造に仕込みを依頼しました。
1995年1月22日が1回目の仕込み予定日でしたが、直前の17日に阪神淡路大震災が発生しました。倒れかけのタンクが並ぶ中で、一度はあきらめかけましたが、蔵人の命がけの奮闘によって不死鳥の
ごとく、誕生したのが千夢酔です。
文化の拠点である酒蔵を守りたい。それは自然を守ることでもあります。
無添加で人にやさしい日本酒を目指すこと。それは手から手へぬくもりと共に共感を目指すこと、それは何よりこの千夢酔を通して淡路島をさらに輝かせたい。
千夢酔は、これからも復興のシンボルとして淡路島の自然の恵みの象徴として、私たちは淡路の水で 淡路の米で 淡路を愛する思いを込めた人と自然の調和を尊ぶ米作りをこれからも続けていきたいと思います。
酒探偵団とは?
1990年に発足された、酒文化を語り合い、淡路の自然や歴史、それに携わる人々と融合しながら日本の民族酒である日本酒を楽しむ団体。
淡路島のお酒にまつわる様々なイベントや情報を発信しています。
URL/淡路酒探偵団
E-mail/info@esake-takata.com
受賞歴
全国新酒鑑評会で
5度金賞を獲得
『全国新酒鑑評会』とは、新酒を全国的に調査研究することにより、製造技術と酒質の現状及び動向を明らかにし、もって清酒の品質向上に資することを目的に毎年行われている鑑評会です。
2000年、2001年、2011年、
2012年、2015年金賞を獲った
『千代の縁』
受賞歴一覧
- 2000年
- 金賞
- 2001年
- 金賞
- 2004年
- 入賞
- 2007年
- 入賞
- 2008年
- 入賞
- 2011年
- 金賞
- 2012年
- 金賞
- 2015年
- 金賞
第65回但馬杜氏自醸酒研究会
2010年度 最優等賞を受賞
『自醸酒研究会』とは、この冬できた吟醸酒、純米酒、普通酒の三部門で新酒の品質を
評価するものです。